・会社設立にあたって


このほど設立いたしました五藤テレスコープ株式会社の社長を務めます鈴木雅晴と申します。

私たちの親企業であります株式会社五藤光学研究所は1926年に五藤齊三によって創業された歴史ある企業
です。日本で初めての天体望遠鏡メーカーとしてスタートしました。近年はプラネタリウムとデジタル大型映像
を軸にハード・コンテンツ・運営といった面で世界的に知られる企業となりました。

しかしその反面、望遠鏡事業は必ずしもお客様の声を反映しているとは言えず、この事業を独立した子会社で
運営した方がお客様のためになるだろうと判断いたしました。私は36年前にマークX赤道儀の開発に携わらせ
て戴いたことを皮切りに、アストロカー(移動天文車)などユニークな製品づくりに係わらせて戴きましたが、四
半世紀ぶりにこの業界に戻ってまいりまして、驚いたことがたくさんあります。まず望遠鏡メーカーやショップの
数がバブル期に比べて激減したこと、そして一番驚いたことは、20代、30代の若い天文ファンの数がとても少
なくなってしまったことです。この原因はいったい何でしょうか。まずはその分析から始め、この小さな企業が
天文業界の活性化の一助になれば幸いと考えています。

小さな会社なので私たちだけではできることに限りがあります。幸いなことに各メーカーやショップを回り、暖か
い励ましの言葉を多数頂戴いたしました。これらの方々と手を携えて頑張りたいと思います。

40年、50年前に五藤光学研究所が製造した望遠鏡が今日でもよく修理で戻ってまいります。大切にお使い戴
いているユーザーがまだたくさんいらっしゃることを肝に銘じ、これからの会社の運営をして参ります。


埼玉県入間市の自宅屋上 愛機MXU赤道儀と共に